目次
1.転職活動のゴールとは
転職活動においては、書類選考でどれだけ良い評価をもらっても、面接で受かることができなければ、入社できる可能性は0%です。つまり、内定をとって初めて入社する権利が与えられます。よく、受けようかどうか迷っていたり、受けたけど行くかどうか迷っているという人がいますが、そもそも内定を取れていなければ入社する権利が無いわけですから、転職活動で達成するべきゴールは、とにかく「受ける企業の内定を取る」ということに集中するべきだと考えています。
面接で実際に会社に行ったときに感じる雰囲気や面接官の対応から受ける印象などもあると思います。面接を受ける前はイマイチだったけど受けてみたらすごくいい印象だったという事もよくある話ですし、逆に行きたいと思っていたけど、社内や面接官の印象が最悪だったというようなこともよくあります。とにかく受けてみて、受けたところから取れるだけ内定を取り、そのうえで印象や条件などを総合的に比較して入社を決断するのがお薦めの転職活動の方法です。
2.企業にとっての面接の目的とは
企業の採用担当者は、「誰でもいいからとにかく会ってみる」という考え方の人を除いては、書類選考に合格した候補者には、「この人がいい人だったら採用しよう」と考えています。つまり、書類選考ではある程度合格ラインを越えていて、その人物が求める人物にマッチする良い人物かを見極める機会が面接です。
それでは見極めるためにどのような点を確認するのか。
①履歴書、職務経歴書に書いてあることの事実関係の確認
②職務経歴に書いてある実績、スキル、経験のレベルや度合いの確認
③人物の良さや求める人物像への適合度の確認
①履歴書、職務経歴書に書いてあることの事実関係の確認
経歴詐称は懲戒解雇の対象となります。採用担当者は、懲戒解雇されるような人を採用してしまっては、採用した担当者の責任も発生してくるため、虚偽記載はないか、経歴詐称はないかということをしっかりと確認をするのが一般的です。
②職務経歴に書いてある実績、スキル、経験のレベルや度合いの確認
募集している職種で適応できる経験やスキルはあるのか、そのスキルはできると言ってもどの程度のレベルで出来るものなのか。記載されている実績は本当に本人の実績なのか。自社に入社したら即戦力として働けるのかという可能性を確認します。これは、もし採用した人材が職務経歴書に書いてあることが「できる」と書いているが実際には「できない」という事になったときに、採用担当者が、募集している部署から「聞いている話と違う」「使えない」などとクレームを受けることになることを防ぐために確認します。
③人物の良さや求める人物像への適合度の確認
募集している企業の文化に合う人物か、募集している組織やチームには合いそうな人物か、企業側が求める人物像にマッチする人物かということを確認します。これはいわゆる「ノリ」や「カルチャーフィット」という感覚的な部分です。募集している部署の責任者が「扱いやすそうな人」かどうかなどもポイントになります。
転職活動では、面接が一対一で行われるのがほとんどなので、他にも候補者がいることは見えづらいですが、広く広告を出している場合にはその分だけ多くの候補者がいます。そのため、他の候補者よりも少しでも良い評価を勝ち取らなくては内定を取ることができません。面接で高い評価を得ることが最も重要なポイントです。
ここでは面接を通過していくためにどのような対策が必要なのかをご紹介していきます。
3.転職市場ではどのような人が高い評価で採用されるのか
前提条件としては、
①履歴書、職務経歴書に書いてあることの事実関係の確認
②職務経歴に書いてある実績、スキル、経験のレベルや度合いの確認
これらが充分であるということを前提として、人物評価が高くなることがポイントです。人物評価が高くなる人物像としての絶対条件は一部のハイクラス人材を除いては共通です。それは「自分が社長ならこんな人が来たら絶対に採用する!」という評価を得られる人物像です。なぜ共通なのかというと、採用担当者は、社内のだれからも高い評価を得られそうな人物を良い人物と評価するからです。
その人物像とは 「明るく元気」で、「謙虚」で「前向き」な人です。
(1)「明るく元気」
これは面接におけるコミュニケーションの絶対条件です。笑顔で明るくハキハキとすることです。面接というのは、これから新しい環境に挑戦するために自分を売り込む場です。採用する側も少しでもやる気があり、社内でも円滑なコミュニケーションが図れそうないわゆる「いい人」を採用したいと思っています。逆に暗くて元気ない人がきたら、どうしてあんな人を採用したのかと採用担当者がマイナス評価になってしまいます。よっぽど人と接しない研究職のようなポジションで、且つテクニカルスキルが高い人材でなければ、転職活動においては「明るく元気な人」が選ばれます。
(2)「謙虚」
「謙虚さ」とは、「控えめ」「慎ましい」「素直に相手の意見を受け入れること」「自分の能力や地位などにおごることなく、素直な態度で人に接する」等と辞書には書かれています。
①自慢は控えめに、話過ぎは逆効果。話は整理して話す。
②質問には結論から。自分の話したいことではなく、相手の訊きたいことに答える
③愚痴、批判、文句は絶対に言わない
④素直に指導や意見を謙虚に受け止める。
①自慢は控えめに、話過ぎは逆効果。話は整理して話す。
自慢話というのは自分が高いアピールポイントだと思っていることです。上手な面接官の場合は、得意げに話をするとしっかりと相槌や頷きを入れて気持ちよく話をさせてくれます。しかし、気を付けなければならないのは、話過ぎてはいけないということです。人の自慢話というのは、話の内容に興味がないかぎり気持ちいいものではありません。話し過ぎてしまうとほとんどの場合、聞き手はストレスがたまり評価が下がります。謙虚さを忘れず、アピールしすぎには注意してください。
②質問には結論から。自分の話したいことではなく、相手の訊きたいことに答える
面接官のストレスがたまるポイントに質問への回答方法があります。それは「相手の質問に答えない」というケースです。
例えば、
”この時は大変でしたね。この時は毎日何時まで働いていたんですか?”という質問に対して
”実は、このときは、会社の業績がすごく悪い時だったんです。ちょうどタイミングがわるく家庭でも父が病気になったり、妹が怪我をしたりしていて、個人的にもすごく忙しい時だったんです。妹は学校の帰りに自転車で転んで骨折してしまったので、週に3回は私が送り迎えしたりしていました。。。。” 等云々
ひとつの例ですが、このような話はよくあります。つまり、自分が大変だったことや頑張ったことなどを聞いてほしい話をするチャンスだと思って、相手に聞いてほしいことを話し始めてしまうのです。しかし、話を聞いている方は、ストレスが最高になります。面接官の気持ちとしては「この人はいつ私の質問に答えるんだろうか」とずっと考えながらあなたの話を聞いているのです。いつまでも話続けていると次第に腹が立ってくるのです。
こうなってしまったらもう取り返しがつきません。あなたの評価は「コミュニケーションに難あり」と評価されてしまいます。ここで大切なことは、自分が話したいことではなく、相手が訊きたいことに答えるということです。「まず質問に答える」、そしてその後に補足として回答の説明をするようにしてください。
③愚痴、批判、文句は絶対に言わない
愚痴、批判、文句などは人や会社などに不満がある場合に出る言葉です。つまり、相手は悪くて自分は悪くないという場合に出る表現で、人の悪口です。人の悪口というのは聞いていて気持ちの良いものではありません。また、仲間うちの話なら良いですが、評価をするための面接の場では「きっとこの人はうちの会社にきても自分を顧みずにうちの悪口を言うんだろうな。」と思われ、聞いている相手は気分が悪くなります。このような場合、間違いなく評価は下がってしまいます。愚痴、批判、文句は決して言ってはいけません。控えめに慎ましやかに謙虚さを忘れずに
接してください。
④素直に指導や意見を謙虚に受け止める
面接官に指導を受けたときや、”こうだったんじゃないの??”というような意見を頂いたときに、「いや、そうではなく、、、」と否定してしまうと、「この人は人の意見を受け入れない人だ」という印象を持たれます。また、面接の場で議論をしても意味がありませんし評価が下がるだけです。「仰るとおりです」や「なるほど、そうかもしれません」などと、否定せずに相手の意見を受け入れてその上で自分の意見を謙虚に伝えるようにしてください。ただし自分の意見を伝えるときにも議論してはいけません。議論になりそうなときには、「おっしゃる通りです」と
議論を回避してください。達成するべきゴールは「内定を取ること」だということを忘れずに。
(3)前向きな姿勢
前向きな姿勢とは、積極的な姿勢、プラス思考、ポジティブ思考、主体性、成長性などの姿勢です。反対の言葉では後ろ向き、ネガティブなどと表現されます。高く評価されるのは前向きな姿勢です。どのような質問に対してもプラス思考で答えることができ、常に夢や目標、理想に向かって謙虚に自分が成長する、貢献するという一貫した姿勢を示してください。どのような問題がある場合でも、自分が変化し、努力して成長することで問題を乗り越える姿勢があれば、相手に前向きな印象を残します。つまり、言い換えると「やる気満々」な状態です。
これらの姿勢を表現できれば、大半の採用担当者は高い評価をします。
4.面接の事前準備
面接を受けるにあたって事前にどんな準備をしておいたほうが良いでしょうか。最低限これをしなければ受かりませんという、必ず準備しておかなければ受ける意味がないというほど重要なことをお伝えします。
(1)応募企業の研究は必ずすること
自ら応募しておきながら、応募しようとする会社のことをほとんど調べないで受ける人がいます。という対策を準備する以前に、相手のことを知らないと受かりません。
事前に企業研究もせずに面接に臨んだ場合、「当社のどこに興味を持ちましたか?」という質問で相手の企業への理解度が測られます。会社側としては想いを込めている部分についてどこに共感したのかということをききたいのですが、知識もなく「御社の事業の将来性に共感しました」などと当たり障りのない回答をした場合、「この人は何も調べてきていないのか」と思われます。さらに突っ込まれ「事業のどのような部分に将来性を感じましたか?」というような具体的な質問で、ボロが出てしまい評価が下がります。
このような場合「準備をしない人」「準備をしようとすら思わない人」または
「要領で乗り切ろうとする人」や「バカにされている」と思われてしまいます。
自分が応募している職種はどんな職種なのか。これらのようなことを全く調査や準備しないで面接に臨む人は相当多いというのがいままで多くの候補者を見てきた中での実感です。
当然調べてきている人の方が志望動機も強く面接での話もかみ合い自然と評価が高くなります。どこを受けても一緒、受かればいいと思って転職活動をする人は多いのです。そんな中で、会社について調べているということは他の人に差をつけることができるポイントなんです。 よく考えれば当たり前で単純なことなのですが、すごく重要なことなんです。
では企業研究をする際にはどのようなポイントを押さえておくべきなのでしょうか。ポイントを以下に書き出してみました。
◆企業研究のポイント
・会社名
(最も重要です。ちゃんと覚えてください。間違える人は意外にも多いです)
・社長の名前
・経営理念やビジョン
(ここには会社の大切にしている想いが詰まっています)
・事業内容や拠点
・沿革(歴史)
・上場会社ならIR情報から業績などを把握
(売上高と営業利益率の時系列推移は最低把握したい)
・外食や小売りなど店舗を展開しているサービス業であれば店舗に実際に行き利用してみる
・求人情報
(ホームページの採用情報、求人サイトの求人情報等に記載されているメッセージ)
・社長が書いている書籍等(第一志望であれば必読です)
これらの情報は把握してから面接に臨んでください。
(2)履歴書・職務経歴書に書いてあることは全て説明できるようにしておく
履歴書、職務経歴書を送り書類選考では合格したわけですから、履歴書や職務経歴書に記載してあることはすべて完璧に説明できることが最低限必要です。書類選考では、いいひとと思われて選考が通過しても、書類通りの人じゃなかったということになれば、当然評価は下がります。書類選考した内容と面接での話の食い違いが無いように、確実に答えられなければそれが減点要因となってしまいます。そのため、履歴書・職務経歴書を作成したら、必ず、その内容を100%自信をもって笑顔で元気よく説明できる状態に事前に準備しておくことが重要です。
面接の際には想定される質問も意識しながら想定問答の準備もしてください。そして質問されても問題なく切り替えしができるところまで事前に練習をしておいてください。練習していれば本番でも難なくクリアすることができます。
経歴を時系列で1~3分で説明できる様に練習しておいてください。
(3)質問への答えを一通り準備しておく
面接で嫌われる人の要素として、だらだらと長く話す人が嫌われます。
理由は、①時間が限られている ②相手が聞きたいのは結論だけ
事前に考えずにその場で考えて話すと、あれもこれも伝えたくなり、どんどん結論のない話がだらだらと長くなってしまいます。こうなると100%落とされます。
面接では様々な質問がありますが、それぞれ30秒から1分でこたえられる準備をしておきましょう。
(4)面接当日の服装は清潔感、ビジネス感をアピール
面接での見た目の印象は強く相手の印象の残ります。見た目の清潔感やシーンをわきまえた服装で面接に臨んでください。
①服装
面接の当日はスーツ着用で臨むのが基本です。スーツはできれば紺色のスーツをお薦めします。当然ですが、しっかりとクリーニングされていて、臭くなくシワのないスーツで臨んでください。シワだらけのスーツで臨むならそれだけで、スーツの着方がわからない、清潔感が無い、常識が無い、生活がだらしない、という印象を与えてマイナスになります。できればサイズはジャストサイズで、小さかったりブカブカのものもNGです。
夏でも冬でも基本的にはスーツ着用で、上着も着用してください。男性はネクタイも着用です。夏場の暑い日でも、面接会場に到着するまでは上着を着ていなくても、面接会場に入るときには上着を着用してください。また冬場の寒い日でも、面接会場の建物に入ったらコートは脱いで手にもってから会場に入ってください。
女性で多いのがリクルートスーツのような黒いスーツですが、可能ならばリクルートスーツよりも紺色などのビジネススーツを着用することをお薦めします。リクルートスーツの場合、スーツを着るような仕事に慣れていないという印象を持たれるからです。インナーは男女ともに白いワイシャツ、女性はブラウスです。
男性のネクタイは、落ち着いた色のレジメンタルタイ、または無地、または小さな柄のドットタイにしてください。チェックやその他の柄物や派手なものはNGです。
②靴
靴は男女ともに黒の革靴で茶色や派手なもの、つま先が尖っている者などはNGです。男性はストレートチップまたはプレーントゥ、Uチップなどのトラディショナルなもの。女性も落ち着いたもので、ヒールは高すぎないもの、5センチ以下程度が好ましいです。職種に問わずヒールは太めよりは細めの方が印象は良いようです。ただし細すぎるものはNGです。もちろん、靴はしっかりと磨いて艶が出ている状態にして臨んでください。ビジネスシーンでは靴が綺麗というのは基本であり、靴が汚いということだけで評価が下がる場合もあります。
③鞄
鞄は、黒のナイロンなどのビジネスバッグが無難です。高いものである必要はありませんが、リュックや明るい色の鞄は避けるべきでしょう。
④その他の持参物
・ノート(メモ帳)
・ボールペン
・印鑑(認印※シャチハタ不可) これは念のためです。
・写真付き履歴書、職務経歴書(透明の新品のクリアフォルダに入れる)
・面接会場までの地図 (30分前までに到着し、5分前には入場できるように早めに行きましょう)
5.面接当日の面接対策
(1)面接に臨む際の超重要ポイント「面接は接客である」
面接の目的というのは、以下の確認だと伝えました。
①履歴書、職務経歴書に書いてあることの事実関係の確認
②職務経歴に書いてある実績、スキル、経験のレベルや度合いの確認
③人物の良さや求める人物像への適合度の確認
①②は面接の中での質問でクリアになっていきます。大切なのは③の「人物の良さや求める人物像への適合度の確認」です。つまり簡単に言うと「良い人」かどうかあり、これは面接官の印象という感覚的なものなんです。また、注意したいのは、目には見えないが「多くのライバルがいる」という事です。多くのライバルの中で、最も高い評価を得なければ入社できないということです。
つまり、「評価が最高になるように面接官の印象を最高に高める」という事です。
言い換えると、「面接官の満足度を最高に高める」ということが面接で高い評価を得るポイントです。これは接客業における「顧客満足度」と同じです。つまり「接客」と同じなのです。自分がお客様なのですが、「相手を気持ちよくさせる、満足させる面接をする」ことが勝つポイントです。
そのために、徹底的に「明るく元気」で、「謙虚」で「前向き」という人物像を「演じる」ことが重要です。「演じる」というのは、入社後にそうでなくても、この面接でこれが表現できれば「内定」が取れるのです。内定を取ることだけに集中して、演じ切って相手を喜ばせてください。
(2)面接当日の流れ
当日の面接の流れは以下のパターンが一般的です。
(ⅰ)受付
(ⅱ)面接場所に通され待機
(ⅲ)面接官との挨拶
(ⅳ)面接
(ⅴ)面接の終了
(ⅰ)受付
中途採用の面接は、合同就職説明会などでない限りは、一般的に会議室で行われます。受付方法は会社によって異なりますが、普通に会社の受付に伺うのが一般的です。会社によっては、玄関を入ると社内で働く人が見渡せる会社や、受付担当の女性がいる会社、受付の電話でよびたす会社、呼び鈴を鳴らす会社など様々です。どのようなパターンでも口角を上げて笑顔で背筋を伸ばして元気よく臨んでください。
社内の人にあった場合には、「こんにちは」と元気よくさわやかに挨拶をしましょう。予定時刻の5分前に、受付で名前、面接に来たことを伝えてください。
「お世話になっております。本日面接で●●様に●●時にお時間を頂きました●●と申します。」
と元気よくはっきりと伝えてください。「そちらでお掛けになってお待ちください」等と言われますので、「ありがとうございます。宜しくお願いします。」とお答えしてください。
(ⅱ)面接場所に通され待機
一般的には会議室に通され待機します。テーブルの上に、クリアフォルダに入った履歴書・職務経歴書、ノート、ボールペンを置いて、鞄は床においてください。コートがある場合には縦に半分に折り畳み椅子の背もたれにかけてください。面接場所に通してくれた方に「おかけになってお待ちください」と言われますが、面接官が来るまでよっぽどのことが無い限り椅子には座らないで立って待っていてください。これ重要です。
◆座る場所◆
◎面接場所が会議室の場合
座る場所は一般的には上座の下手です。下記の図では②の位置です。
ただし、上座というのはお客様や身分の高い人が座る場所ですので、「そちらにおかけください、と言われない限りは下座に座ってください。入口に一番近い席(末席)が一番身分が低い人の座る席とされています。4人掛けのテーブルの場合には下手に座ってください。6人掛けのテーブルでは真ん中、それ以上であれば、指定されなければ下手から2つ目に座るようにしてください。基本はメインの面接官の正面に座るようにしてください。
◎面接場所が応接室の場合
応接室の場合は、社内用が一人掛けの椅子、来客用は長椅子というのが一般的な応接セットです。長椅子側に座るようにしてください。
(ⅲ)面接官との挨拶
明るく元気に明るく元気に笑顔で挨拶してください。
「●●と申します。」とまず名乗る。
「本日はお時間を頂きまして有難うございます。」面接の機会を頂けたお礼を伝える。
「こちらが履歴書です。(両手で渡す)」事前にもらっているから不要と言われたら手元に置く。
「本日はよろしくお願いいたします!」面接のお願いをする。
「座ってください」と言われたら「ありがとうございます」といって座ってください。
※注意:お茶を出されている場合、「どうぞ」と言われるまでは口をつけないこと。
どうぞと言われたら「ありがとうございます、頂戴します」といって一口だけ口を付ける。
(ⅳ)面接
一般的には以下のような流れになりますが、当然ですが面接官によって流れはすべて異なります。聞かれない場合もありますが、すべてに対応できるよう準備して臨んでください。
①自己紹介
「それでは簡単に自己紹介をお願いします」と言われる場合がありますので、1~2分くらいでいままでの経歴をまとめて話せる準備をお願いします。イメージは職務経歴要約に記載している内容がよいです。
②志望動機
「それでは志望動機を教えてください」と聞かれます。最後に聞かれる場合もありますが、最初に聞く面接官が多いのでしっかりと準備してください。これも履歴書、職務経歴書に記載している内容が良いと思いますが、当たり障りのないどこの会社でも当てはまるような志望動機はマイナスになる場合もあります。しっかりと企業研究して共感した内容を伝えてください。
③職務経歴の確認
※面接官のリードに従って行ってください。
ここでは、履歴書、職務経歴書に記載していることは100%自信をもって説明できるようにしっかりと事前の準備をお願いします。
④相手からの質問
※別途想定質問については様々なのでネット等で情報収集しご準備ください。
よく聞かれることは以下の通り
・どうして今の会社を辞めようと思ったのですか。(もっと頑張ろうと思わなかったのか)
このような質問には、前向きな回答をしてください。絶対に「給料が上がらないこと」や「人や組織への不満」などを理由にしないでください。このようなことを理由にした場合は「会社批判、不満」と受け止められてしまい、気分がよくありません自社に入ってもこのようなことを理由に辞めるのではないかと思われてしまいます。家庭の事情や身体を壊したりしたときは仕方ないと思いますが、それ以外の
場合ではすべて「挑戦」や「成長」を理由にしてください。「新しいことに挑戦する為」などが良いでしょう。
・ぜひ採用したい、いつから来れる?
このように聞かれたら、即答は控えてください。良い回答例としては、「今回の転職を最後の転職にしたいので慎重に考えたいので少しお時間をください。」このような回答で即答は避けてください。
・現在の収入はどのくらいですか?
このように聞かれたら、年収で税込み総額を回答してください。また、希望給与を聞かれた場合には「いまより下がらない程度が良いですが、御社の規定にお任せいたします。」と回答し、給与交渉はできるだけしないで、エージェントを活用している際にはエージェントに交渉をお願いしましょう。最終的には内定が取れた会社の条件を比較して納得できる条件の会社に決めましょう。
・他社も受けているの?
実際に他社を受けていない場合には、「受けていません」でよいかと思いますが、
複数受けている場合には、「保険として何社か受けていますが、御社が第一志望です」という回答が良いでしょう。
※その他の質問例です。事前に回答を準備しておきましょう。
・今まで一番頑張ってきたときはどんな時ですか。
・今まで一番大変だったときはどんな時ですか。
・仕事をするうえでこだわっていることはなんですか。
・あなたが当社に入社することで提供できる価値はなんですか。
・自己アピールをお願いします。
・だれにも負けないことはなんですか。
etc…
⑤こちらからの質問
何か訊いてみたいことはありますか?と言われます。
・入社した場合の仕事内容について教えて頂けますか。(相手から質問が無かった場合)
・社内の雰囲気はどのような雰囲気でしょうか。
・この会社に入社してよかったことは何でしょうか。(面接官の方の意見を訊く)
・入社するにあたり準備しておいた方がよいことがありましたら教えてください。
・配属予定の部署はどんな人がいますか。
・御社の強みはどのような点でしょうか(企業研究をしっかりとしている場合)
などなど。
説明が丁寧だった場合には、先ほどのご説明の中でお伺いしたいことが訊けましたので大丈夫です。という回答でも構いません。
◎してはいけないNG質問
・賃金に関する質問
残業代、休日出勤代、賞与などなど。これらは求人情報にも記載していますし、会社説明の際に教えてくれるはずですし、無かったとしても、内定が取れた時点で労働条件通知の際に説明してくれます。面接の際に「お金」のことについて質問が多い人の印象は「お金」がこの人の働く動機なのかという印象を持たれてしまいます。あくまでも会社の考え方や事業に共感しているという印象を持ってもらうために、出来るだけお金についての質問はしないようにしましょう。
・残業や休みに関する質問
こちらも同様です。特に正社員としての採用であれば、会社が大変な時には力を合わせて残業ももちろんしなくてはなりません。それが残業はしませんという印象を与えてしまっては「この人の優先事項は仕事ではないな」というプライベート重視またはワークライフバランス重視の人だと思われてしまいます。あくまでも正社員となれば「労働」は「義務」で与えられる報酬や待遇は「権利」です。義務ありきの権利ですし、公務員でない限りは、会社の存続が最優先です。会社の存続するために大変な時もあり、収益を出すのは社員全員の責任で、収益が出なければ会社は待遇を与えたくても与えてたらつぶれてしまうという場合も出てきます。「権利主張型」人材は会社は採用しませんし、採用されても評価される可能性は低いです。
◎NGワード
・ワークライフバランス
上記と同様の理由です。この言葉を使う人のほとんどが休みをしっかりと取る、休みは権利という使い方をします。当然のように話す人がいますが、面接というのはこれから一生懸命働かせてくださいということのアピールの場です。この言葉が出た瞬間に多くの面接官の気持ちは冷めます。休みは当然の権利ですが、働くこと役務を提供することがあっての権利なので面接の場で敢えて言うべき言葉ではありません。
・学びたい、勉強したい
前向きな向上心のある言葉に感じる人もいるかと思いますが、会社というのは仕事をして会社に利益を与えるために人材を採用します。特に中途採用では即会社に貢献する人材を求めています。そこで「学びたい」という言葉が出た瞬間に、笑顔で聞いていても心では「会社は学校じゃない、学びたいなら学校に行け」というように人材の成熟レベルの低さを感じてしまいます。この言葉を使うとしたら、例えば「いち早く成長し会社に貢献します」というような表現が望ましいです。
◎やってはいけないこと
・「履歴書、職務経歴書を返してください」と言ってはいけません。
このような人はいないと思いますが、返してほしいなら最初から提出してはいけません。受け取ったものは基本的には漏洩することもありませんし、悪用されることはありません。個人情報は法律で保護されています。それが信用できないという表現になります。これを言ったら間違いなく採用はありません。
(ⅴ)面接の終了
「それでは以上で終わります」と面接官が終わろうとしますので、「本日はお時間を頂きありがとうございました」と再度お時間を頂いたことへの感謝の気持ちを伝えて下さい。そして改めて「ご検討のほどよろしくお願いいたします」と元気よく「お願い」をしてください。面接に行ってもお願いしないで帰ってくる人が多いのですが、最後の印象付けはとても重要です。
面接の中で、選考結果の連絡方法や時期などの説明が無かった場合には、「選考の結果はいつ頃ご連絡を頂けますでしょうか。」と確認しておくことも忘れないでください。終了後に、お手紙やメールでのお礼をすることをお薦めします。丁寧な人だ、熱意のある人だという印象を持ってもらいやすくなります。その際には、面接の際に面接官のお名前はしっかりと伺って間違えないようにしてください。
※プロによる1時間の電話カウンセリングにより強みを引き出し、履歴書・職務経歴書を添削または作成いたします。面接対策も行っています。お気軽にご相談ください。