最終更新日 2020/02/23

あなたは自分を評価する人のニーズを知っていますか?

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ある人の転職相談を受けました。

その人は営業などではなく企画・業務系の人で、今の環境で仕事をしているのが面白くないという。何故かと聞くと、その人は「自分は評価されるに値する仕事をしているのだが、別の人が評価され、別の人がリーダーになっている。あの人がリーダーになっていて自分が評価されないのは納得ができず不満」ということらしい。この人は、自分を評価しない会社や職場、仕事に対して不満を感じて転職を考えているというのです。

「評価されてもいい仕事をしているのに、自分ではなくて他の人が評価されているのが不満なんですね。」というとそうだという。

「その人はどうして評価されて、自分はどうして評価されないのか、理由は分かりますか?」と聞くと、

「自分のほうが仕事ができるのに向こうが評価されるのが納得がいかない」という。
つまり、その人は、別の人が評価されて、自分が評価されていない理由が分かっていない。

「その人はどんな理由で評価されているのでしょうか」

「うーん、わからないです。」

「自分との違いは何でしょうか」

「いつも上司と一緒にいます。いつも上司に相談しています。上司に気に入られているのかもしれません。」

「あなたよりもその人は上司にいろいろと相談しているんですね。あなたはあまり相談をしないのでしょうか。」

「そうですね。その人よりは少ないです。でもなるべく上司の意図を理解して仕事をするようにしています」

「自分が上司だったらどんな部下を信頼しますか?」

「自分の考えを理解し行動して結果を出してくれる人ですね。」

「なるほど、部下には自分の考えをどのようにしたら理解してもらえますかね?」

「自分の期待することをしっかりと伝えていくことですね。」

「一度伝えたら完璧にやってくれそうでしょうか」

「そうですね、これでいいかを確認は欲しいですね。」

「しっかりと伝えたことを、部下はそれでいいかどうかを確認に来てほしいという事ですよね」

「なるほど、そうすると、自分と別に評価された人との違いはどんなところですか?」

「上司とのコミュニケーションの量が少なく、相談や報告はメールなどで行っていてその人より少ないですね。」

「自分があなたの上司だったらどちらを評価しますか?」

「相談にこまめに来てくれるほうですかね。でも自分のほうが仕事はできているんです」

「上司が求めている仕事で成果は出せている自信はありますか?」

「多分そうだと思います。」

「多分、というのは?」

「上司が求めているであろう基準に対して成果を出していると考えているからです」

「上司が求めている基準というのはどんなところなのでしょうか」

「うーん、、、」

このようなやりとりがありました。
この人は、「自分は仕事ができるので評価されるはずだ。評価しない会社や上司がおかしい」、と考えています。このような考え方をする人は転職を考える人の中には非常に多いのです。しかし、非常に危険な考え方なのです。言い方を変えると「自分はすごいが上司がバカ、だから会社を変える」ということになります。現実的には、「上司が本当にバカ」という場合もあります。そのような場合は上司の上司に直談判するか、それでもだめなら転職したほうがいいでしょう。しかし、今回のような考え方の人は現状よりも高い評価や報酬を求める傾向があります。転職活動でも自分を高くアピールして、それまでやってきたことよりも高いポジションや高いスキルが必要な仕事に転職をしてしまって失敗することがありますので注意が必要です。

例えば以前転職相談にのらせていただいた例で、マネジメントの経験がなくても事前アピールをしすぎて期待されてしまいマネージャーとして入社することになり、実際に入社してチームを任されてみたら、まったくマネジメントなどできず、入社後に「あいつは仕事ができない、使えない」という評価になってしまって、転職時の評価から著しく評価が下がってしまい、また転職をせざるを得なくなった、という人もいました。

このような人は、評価される以前に、「評価される人の姿勢や心構え」ができていないように思います。そもそも組織にいる以上、評価というのは、自分が自分を評価しても給料やポジションは上がりません。会社や上司が評価をするものなのです。だから、どのような人が評価されるのかをしっかりと把握してそこに見合う仕事をしなければ評価されません。評価を求めるなら、まず、評価基準を知ることから始めなければなりません。

これはモノづくりでも例えられます。
良い製品を作ったから絶対に売れるはず、という考え方と同様です。作り手がどんなに良い品物だと思っていても、欲しいと思う人がだれもいなければ1つも売ることはできません。その時に、「買わない人がバカだ」と思っていたら、その会社はつぶれてしまいます。逆に、「市場では消費者がどのような製品を求めている、ニーズがある、だからこのような製品が売れる」という考えのもとで商品を作り市場に送り出せば、適切なアピールがあれば売れていきます。この違いは、だれがそれを評価するのか、その評価基準は何か、ということが分かっているのか、分かっていないのかの違いです。

あなたを評価するのはだれですか?
そうなんです。
評価するのは自分ではなく会社や上司なんです。

成果を出すためには自己評価を高めて自信を養うことは大切なことです。しかし、会社からの評価を求める上においては、会社のニーズにあっていないことで結果を出してもそれは認められる成果ではないですし、評価はされません。評価は自分でするものではないんです。自己満足をしたいのか、それとも評価や結果を変えたいのか。評価する人のニーズを把握してください。

参考:その他の転職相談記事

 

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